「リスク・パリティによるスマートベータの合成」とかいう凄そうなヤツ(後編)

我は魔界を統べる者・・・混沌の海より生まれ出で、混沌そのものとなった…
一つでダメだったら組み合わせてみたらいいじゃん?
先日に引き続き、「リスク・パリティによるスマートベータの合成」という横文字が並んだ、いかにもカッコ良さそうな投資手法について考えていきたいと思います。
参考文献はこちらの ニッセイ基礎研究所:「リスク・パリティによるスマートベータの合成」 です。
リスク・パリティによるスマートベータの合成 | ニッセイ基礎研究所
2013年ごろから投資家の間で徐々に注目され始め、2014年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用したことで一段と注目度が高まったスマートベータ。2015年もスマートベータ型のETF(上場投信)3本が東京証券取引所に上場されるなど...
上記文献では現存する最も古い6つのグリモワール 「ミュンヘン降霊術手引書」 「ピカトリクス」 「ガルドラボーク」 「ホノリウスの誓いの書」 「悪魔の偽王国」 「術師アブラメリンの聖なる魔術の書」 に記されている呪文を、ある一定の規則に従い組み合わせて唱えることで、神の指数を召喚する試みについて書かれています。
そこから導きだされた呪文が・・・コレ!
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!
・・・おっと。別の文献と勘違いをしてしまっていたようです。
これが知られたことがバレるとヤバいんで、今のは聞かなかったことにしてください。
え~。あらためまして。
上記文献では「バリュー」「等ウェイト」「モメンタム」「低リスク」「クオリティ」「好配当」などといった6つの要素に基づくスマートベータ指数を組み合わせて、より効率的で安定した運用を目指そうという試みについて記載されています。
昨日は、各スマートベータ指数でも、TOPIXやMSCIコクサイなどのベンチマークをアンダーパフォームする年がある。というところまで読んできました。
今日はいよいよ本題である、これら一つ一つではパフォーマンスが不安定なスマートベータ指数を、どのように組み合わせていくか?といったところへと読み進めていこうと思います。
なお、図表などをそのまま引用するのは憚れるところもありますので、上記リンクの記事を参照してもらえればと思います。
ねるねるねるね その1
さて、文献には「項目3-スマートベータの組み合わせ」と称して、まず最初に各スマートベータを均等配分したポートフォリオを組んで運用することが書かれています。
これは最近流行りの○資産均等とかいうやつですね。
ぷぷっ! 頭ワル。
そんな単純なことでうまくいくわけないじゃんwww
小学生かっつーの。
等ウェイト指数が含まれているのに、さらに等ウェイトとか分けワカメ。
んで。均等配分したときのパフォーマンスが図表4に記されています。
ほら見たこ・・・あれ?
案外悪くないように見えちゃったりするんですけど。
やっぱ、時代は○資産均等ですよ。
見る者を魅了してやまない究極かつ芸術的な魅惑の配分。
これこそが人類が探し求めてきた賢者の石というやつです。
・・・・というか、累積でみればそこそこだけど、やっぱり2010年以降はヨコヨコ推移ですね。
可もなく不可もなく。
というよりは、結果的には骨折り損のくたびれ儲けって感じがします。
ねるねるねるね その2
でも、金融工学のプロフェッショナル達はそんなことではめげません。
更なる高みを目指して、魔術の根源であるアカシックレコードへのアクセスを試みます。
それが最終章で語られている「リスク・パリティ」という概念による魔力配合です。
彼らが注目したのは各スマートベータ指数によって、TOPIXやMSCIコクサイといったベンチマークとの相対における標準偏差(リスク)が異なるということなんですね。
特に「モメンタム」「低リスク」の要素特徴を持つスマートベータ指数でのリスクが大きいと感じたわけです。
そこで、リスクが大きいものほど比率を低く抑え、リスクの小さいものほど比率を高くするといった感じで、各指数のリスクが全体パフォーマンスに与える影響が同じになるような比率配分にしたわけです。
いやー。こだわりを通り越してスピリッツさえ感じてしまいます。
そしてついに、彼らが構築した魔術回路によって得られたパフォーマンスが図表8に描かれています。
更にやはり累計リターンでは、まやかし度合が高すぎると彼らも思ったのか?
5年ローリングでの平均リターンも図表9に描かれています。
まぁね。TOPIXやMSCIコクサイとの相対において、標準偏差を抑える方向にもっていったわけですからね。
こうなってくるのも当然かもしれません。
ここは是非ともリンク先の文献をその目で確認していただきたいと思います。
そこに刻み込まれた彼らの血と汗の結晶を。
もうね。ホントご苦労様と言いたいです。
この文献を通して僕が得られた知見は以下の2つです。
(1)まぜるな危険。特徴は失われ平均に近づくだけ。
(2)下手の考え休むに似たり。
今日のアイキャッチ画像は。
「ガヴリール ドロップアウト」から、サターニャちゃんです。
天使学校首席の天使が人間界にやってきた! …が、人間界に馴染みすぎて「駄天使」と化したガヴリールは、目標もそっちのけで娯楽を満喫し続けると誓うのであった。
最近、行動が予測不明で面白さが増している感じがします。
そう考えると、世の中と言うのは混沌としているから面白いのかもしれません。
期待と不安の狭間、ワクワクとドキドキの間のギリギリのところに、究極の楽しみというのが隠れているような気がします。
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